【第17章】EVタイヤの寿命とコスト試算:安いタイヤは結局損をする?
こんにちは!小山市のクレスコタイヤサービス、店主の大島です。
「EV専用タイヤって、普通のタイヤより高いよね…」 おっしゃる通りです。静粛性や対荷重性能を高めた専用タイヤは、スタンダードタイヤに比べて1本あたり数千円〜1万円ほど高いこともあります。
しかし、ここで声を大にして言いたいのは、 「目先の安さで選ぶと、最終的に数万円損をする可能性がある」 ということです。
今回は、電卓を叩いてシミュレーションしてみましょう。
1. 寿命が全然違う!
EVの強烈なトルクと重量は、タイヤを容赦なく削ります。
- A社(格安スタンダードタイヤ): 4本で6万円。 でも、磨耗に弱く、EVで使うと2万キロでツルツルに。
- B社(EV専用プレミアムタイヤ): 4本で10万円(+4万円)。 でも、磨耗に強く、4万キロ持つ。
4万キロ走るためには…
- A社: 2回購入が必要 = 6万円 × 2 = 12万円(さらに交換工賃も2回分!)
- B社: 1回でOK = 10万円
この時点で、すでに高いタイヤの方が2万円以上お得になっています。
2. 電費(電気代)も違う!
さらに、第3章でお話しした「転がり抵抗」の差が出ます。 転がり抵抗「A」のタイヤと「C」のタイヤでは、電費が数%変わります。
仮に年間1万キロ走行、電費6km/kWh、電気代30円/kWhで計算してみましょう。 電費が3%向上すると、年間で数千円の電気代削減になります。 タイヤの寿命である3〜4年で考えれば、1万円〜1.5万円ほどの差が出ることも珍しくありません。
3. トータルコストの正解
「寿命による買い替えコスト削減」+「電気代の削減」。 これらを合わせると、初期投資で4万円高くても、数年後にはプレミアムタイヤの方が圧倒的に安上がりという結果になります。
さらに、その間ずっと「静かで快適な乗り心地」と「高い安全性(止まる性能)」が付いてくるのです。
まとめ:EVタイヤは「投資」である
ガソリン車よりもタイヤへの依存度が高いEVだからこそ、「安物買いの銭失い」のリスクが高くなります。
見積もりの金額だけを見ると「うっ」となる気持ちは痛いほど分かりますが、そこをグッとこらえて、ぜひ「寿命と電費」を考えた賢い選択をしてください。 結果的に、お財布にも優しいカーライフになりますよ!
次回はタイヤから少し離れて、「ホイール」のお話。 EV専用ホイール、なぜあんな形をしているの?
【第18章】EV専用ホイールの選び方:空力特性(エアロ)で電費を稼ぐ
「どのくらい持つの?」「今のタイヤ、あとどれくらい走れる?」 寿命診断やコスト比較のご相談も承ります。プロの目でズバリお答えします!
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