知らなかったでは済まされない！冬用タイヤにまつわる法律と罰則の話

こんにちは！小山市のクレスコタイヤサービス、店主の大島です。

冬の安全運転は、ドライバーの心がけだけでなく、法律によっても定められています。 「知らなかった」では済まされない、冬用タイヤに関する交通ルールがあることをご存じでしょうか？

今回は、ドライバーとして必ず知っておくべき、冬の道の法律と規制について解説します。

各都道府県の公安委員会が定める「積雪・凍結時の滑り止め措置」義務

実は、道路交通法そのものに「スタッドレスタイヤを履きなさい」と直接書かれているわけではありません。

しかし、各都道府県の公安委員会が定める道路交通法施行細則によって、積雪または凍結している道路において、滑り止めの措置を講じることが義務付けられています。

栃木県道路交通法施行細則 第11条（運転者の遵守事項） (4) 積雪又は凍結のため滑るおそれのある道路において自動車（中略）を運転するときは、タイヤチェーンを取り付ける等滑り止めの措置を講ずること。

つまり、栃木県内で雪道や凍結路をノーマルタイヤ（夏タイヤ）のまま走行することは、法令違反となるのです。

• 違反した場合の罰則: 「5万円以下の罰金」（普通車の場合）が科せられる可能性があります。

「スタッドレスタイヤを履く」ことは、この「滑り止めの措置」の最も一般的で確実な方法というわけです。

高速道路などの「冬用タイヤ規制」

冬になると、高速道路や一部の国道で「冬用タイヤ規制」が実施されます。

これは、特定の区間において、冬用タイヤ（スタッドレスタイヤなど）を装着していないと通行できなくなる、という規制です。

• 対象となるタイヤ: スタッドレスの証である「スノーフレークマーク」や、「M+S」マークが付いているタイヤ、もしくは全輪にタイヤチェーンを装着している必要があります。
• オールシーズンタイヤは？: スノーフレークマークが付いていれば、基本的には通行可能です。しかし、凍結路での性能は不十分なため、過信は禁物です。

最も厳しい「チェーン規制」

2018年から、大雪特別警報が発令されるような異例の豪雪時に、より厳しい「タイヤチェーン装着規制（チェーン規制）」が導入されました。

これは、特定の区間において、いかなるタイヤ（スタッドレスタイヤを含む）を装着していても、タイヤチェーンを装着しなければ通行できないという、最も厳しい規制です。

• 目的: 過去に発生したような、大雪による大規模な車両の立ち往生を防ぐことが目的です。
• 対象区間: 全国で13区間（2025年現在）が指定されています。栃木県近隣では、関越道の月夜野IC～水上IC間などが対象です。
• 罰則: この規制に違反した場合も、罰則（6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金）が科せられる可能性があります。

豪雪地帯の峠道などを走行する可能性がある方は、たとえ高性能なスタッドレスタイヤを履いていても、念のためタイヤチェーンを携行することをおすすめします。

まとめ：冬の準備は、ドライバーの「義務」です

• 雪道・凍結路を夏タイヤで走る: 法令違反です。
• 冬用タイヤ規制: スタッドレスなど冬用タイヤでないと通れません。
• チェーン規制: スタッドレスでもチェーンがないと通れません。

このように、冬の道を安全に走行するための準備は、ドライバーに課せられた社会的責務でもあります。

「自分だけは大丈夫」という考えは捨て、しっかりとルールを守り、万全の準備で冬のドライブに臨みましょう。 ご自身のタイヤが冬用タイヤ規制に対応しているかなど、ご不明な点があればお気軽にご確認ください。