PCD・インセット・ハブ径とは?ホイール選びで失敗しない難解な専門用語
こんにちは!小山市のクレスコタイヤサービスです。
ホイールの箱に書かれている「暗号」の意味
タイヤと一緒に新しい「アルミホイール」を買う時、デザインが気に入ったからといって適当に選ぶと、「そもそも車にネジがハマらずに取り付けられない」「ブレーキにぶつかってタイヤが回らない」「タイヤが車体からはみ出して車検に通らない」という悲惨なトラブルが起きます。
そうならないために、ホイールの箱やカタログには次のような「暗号」が書かれています。
例:「15×6.0J 5H 114.3 +45 ハブ73」
「15」がホイールの直径(インチ)で、「6.0」が幅(太さ)だということは想像がつくかもしれません。問題はその後ろ(5H、114.3、+45、ハブ)の意味不明な数字です。 ホイールを自分の車に正しく取り付けるための、絶対に間違えてはいけない「3つの重要キーワード」を解説します。
重要用語①:ボルト穴数(H)と PCD(ピーシーディー)
ボルトの穴の数(H:ホール)
「5H」とは、ホイールを車体に留めるための「ネジ穴(ボルトを通す穴)が5個あるよ」という意味です。軽自動車やコンパクトカーは「4H(4穴)」、普通車やミニバンは「5H(5穴)」、大型SUVなどは「6H(6穴)」が一般的です。 当然ですが、車側が5穴なのに、4穴のホイールを買ってしまったら絶対に取り付けられません。
PCD(ピッチ・サークル・ダイヤメーター)
「114.3」や「100」という数値です。これは、「その複数のネジ穴(ボルト穴)を結んで描いた円の直径(単位:ミリメートル)」のことです。
たとえ穴の数が同じ「5H」同士でも、この「PCD」すなわち「ネジ穴の間隔」がミリ単位で違えば全くハマりません。 例えば、トヨタのプリウス(PCD「100」)のホイールを、トヨタのアルファード(PCD「114.3」)に取り付けようとしても、穴の間隔が違うのでネジが全く通らないのです。
- 教訓:購入前に自分の車の「穴の数」と「PCDの数値(100なのか114.3なのか等)」を絶対に確認すること。
重要用語②:インセット(昔のオフセット)
「+45」や「+50」と書かれている数値です。「オフセット」と呼ぶ場合もありますが、現在では「インセット」と統一されています。
インセットとは、「ホイールの真ん中(中心線)から見て、車体にネジでくっつける面(取り付け面)が、どれくらい外側(または内側)にズレているか」を表すミリ単位の数値です。非常にややこしいですが、結果的にどうなるかだけ覚えてください。
インセットの数字が小さくなる(+45から+38などに減る)とどうなる? ホイール全体が、車の「外側」に向かってドンと押し出されます。 数字を小さくしすぎると、タイヤが車のボディ(フェンダー)からはみ出してしまい、警察に捕まったり車検に落ちたりします。
インセットの数字が大きくなる(+45から+55などに増える)とどうなる? ホイール全体が、車の「内側」に向かってズボッと引っ込んでいきます。 数字を大きくしすぎると、今度は車の内側にある重要なブレーキ部品(サスペンションやキャリパー)に直接ホイールがガリガリとぶつかってしまい、車が走れなくなります。
教訓:ミリ単位の狂いが命取り。インセット(+〇〇の数字)は、いま履いている純正のホイールと「同じか、ごく近い数字」を選ぶのが鉄則。
重要用語③:ハブ径(センターボア)
「ハブ径73」などと書かれています。ホイールのど真ん中(中心)にある「大きな丸い空洞(穴)」の直径のことです。
車側にも、このホイールの中心の穴をパコッとハメ込むための「大きな丸い出っ張り(ハブ)」があります。 中心の丸い出っ張り(車側)に対して、中心の丸い穴(ホイール側)をピタッとハメ込むことで、車の重さをしっかり支え、高速道路でもブレずに走ることができます。
もし、「ホイール側の穴」が「車側の出っ張り」よりも小さかったら? 当然、そもそも出っ張りにつっかえて奥までホイールが入らず、絶対に取り付け不可となります。
逆に、「ホイール側の穴」が「車側の出っ張り」よりも大きかったら? とりあえず入りますが、中心軸に「スキマ(ガタ)」ができるため、高速道路などを走るとハンドルのブレ(振動)の原因になることがあります。(このスキマを埋める「ハブリング」というパーツがあります)
教訓:ハブ径は「車側のサイズと同じか、それよりも大きい数字のホイール」でなければ絶対にハマらない。
まとめ:ホイール選びは素人には危険なパズル
- 「4H」「5H」…… 車のネジ穴(ボルト)の数
- 「PCD」…… ネジ穴の間隔のサイズ(これが合わないとハマらない)
- 「インセット(+〇〇)」…… 数字が小さいと外にはみ出し(車検NG)、大きいと内側に激突する
- 「ハブ径」…… 中心の穴のサイズ。車体のハブより小さいとハマらない
「ヤフオクやメルカリでカッコいい中古ホイールのセットを見つけたから買ってみたけど、自分の車に全く取り付けられなくてただの大きな鉄のゴミになってしまった……」 タイヤ専門店には、こうした悲惨な相談が多く持ち込まれます。
ホイール選びはミリ単位の複雑な立体パズルです。失敗を防ぐためには、ご自身の車の年式や型式を伝え、適合を専門店でプロに見立ててもらうのが最も確実で安全な近道です。
タイヤ交換のご相談はお気軽に!
当店では、お客様のライフスタイルに合わせた最適なタイヤをご提案します。ネットで購入されたタイヤの持ち込み交換も大歓迎です。 「今のタイヤ、本当に合ってるかな?」と感じたら、ぜひ一度、無料のタイヤ点検にお越しください!
連載記事
- 第29章
軽点・ユニフォミティマーク(黄色と赤の丸印)とは?新品のタイヤにだけついている謎の印
- 第28章
TPMS(タイヤ空気圧監視システム)とは?見えない空気の減りを知らせるハイテク装備
- 第27章
新車装着タイヤ(OEMタイヤ)とは?タイヤ屋さんが同じタイヤを売ってくれない理由
- 第26章
リトレッドタイヤ(更生タイヤ)とは?大型トラックを支えるエコな再生技術
- 第25章
製造年月日記号(セリアル)とは?あなたのタイヤが何年に作られたか見破る暗号
- 第24章
偏平率とタイヤ幅とは?「195/65R15」という暗号の最初の数字の意味
- 第23章
金属チェーンと非金属チェーンとは?雪道の救世主の違いと選び方
- 第22章
鍛造(たんぞう)と鋳造(ちゅうぞう)とは?ホイールの値段が10倍違う理由
- 第21章
対称パターン・非対称パターンとは?タイヤの「模様」に隠された秘密
- 第20章
速度記号(スピードシンボル)とは?ポルシェと軽自動車でタイヤが違う理由
- 第19章
PR(プライレーティング)と LT(ライトトラック)とは?働く車のタイヤ記号
- 第18章
パンク修理(外面修理・内面修理)とは?どちらを選ぶべきかの違いを解説
- 第17章
トレッド・サイドウォール・ビードとは?タイヤの3つの重要パーツの名前
- 第16章
バランスウェイト(おもり)とは?高速道路でハンドルが震える原因
- 第15章
センターキャップとは?実は無くても走れる小さな車の「おへそ」
- 第14章
窒素ガス充填とは?普通の空気よりタイヤが長持ちする本当の科学的理由
- 第13章
PCD・インセット・ハブ径とは?ホイール選びで失敗しない難解な専門用語
- 第12章
ランフラットタイヤとは?パンクしても走り続けられる魔法のタイヤ
- 第11章
ローテーション(位置交換)とは?タイヤを倍長持ちさせる超・節約術
- 第10章
スタッドレスタイヤとは?雪がなくても冬に履き替えるべき本当の理由
- 第9章
フラットスポットとは?長期間車に乗らないと起きるタイヤの変形
- 第8章
エクストラロード(XL規格 / RFD)とは?重い車を守る強化タイヤの秘密
- 第7章
インチアップ・インチダウンとは?タイヤとホイールのサイズ変更の基本
- 第6章
エアバルブ(ゴムバルブ)とは?タイヤ交換時に同時交換が必須な理由
- 第5章
アライメント調整とは?車とタイヤの「骨盤矯正」の重要性
- 第4章
ハイドロプレーニング現象とは?雨の日の恐怖から身を守る方法
- 第3章
偏摩耗(片減り)とは?タイヤの寿命を縮める異常な減り方の原因
- 第2章
ロードインデックス(LI / 荷重指数)とは?タイヤが耐えられる重さの限界
- 第1章
スリップサインとは?タイヤの寿命と危険のサインを徹底解説