カーカスとは?タイヤの構造を支えるコード層の役割と特徴
小山市のクレスコタイヤサービスです。
タイヤは外見上は黒いゴムの塊に見えますが、内部には車の重さや空気圧、路面からの衝撃を支えるための構造が組み込まれています。その中心的な役割を担っているのが「カーカス(Carcass)」と呼ばれるコード層です。
タイヤの中には「骨格」がある
タイヤに荷重がかかった際、車両の重さを実際に支えているのは内部に充填された空気です。カーカスは内圧による力に耐え、タイヤの形を保つ骨組みの役割を果たしています。
ゴム単体では空気圧による力や走行中の荷重、路面からの衝撃に耐えきれません。そのため、タイヤの内側には強い引張力に耐えられるコード層が配置され、走行中の変形を適正にコントロールしています。
カーカスの構造
カーカスは、ゴムで被覆されたコード(繊維や金属の糸)を並べた層で構成されています。このコード層がタイヤ内部に組み込まれることで、タイヤに必要な強度としなやかさを持たせています。
カーカスやその補強に使われる主なコード素材には、以下のような種類があります。
- ポリエステル:乗用車用タイヤのカーカスコードに用いられます。
- レーヨン:乗用車用タイヤのカーカスコードに用いられます。
- ナイロン:バイアスタイヤのカーカスコードや、乗用車用タイヤのトレッド面を補強するキャッププライなどに使われます。
- スチール(鋼線):ラジアルタイヤのベルトやカーカスコードに用いられます。
ラジアル構造とバイアス構造
カーカスのコードを配置する方向によって、タイヤは「ラジアル構造」と「バイアス構造」の2つに大別されます。この内部構造の違いが、タイヤの運動特性や乗り心地に影響を与えます。
ラジアル構造(Radial)
コードがタイヤの回転方向に対して直角(放射状)に並んでいる構造です。トレッド面の内側にはコード層を締め付けるベルトが配置され、外周部が補強されています。
現在の乗用車用タイヤではラジアル構造が主流となっており、タイヤサイズ表記(例:205/55R16)に含まれる「R」はラジアル構造であることを示しています。
- ベルトの補強によりトレッド面が安定し、操縦安定性に優れる
- 接地形状が安定しており、耐摩耗性が高い
- 転がり抵抗が抑えられ、燃費性能に貢献する
バイアス構造(Bias)
コードがタイヤの回転方向に対して斜めに交差するように重ね合わされた構造です。トレッド部からサイドウォール部までが一様な構造を持っています。
- 低速走行時や悪路において、路面の凹凸をしなやかに吸収して乗り心地に優れる
- 全体が一様な構造のため、均一なたわみ特性を持つ
カーカスが損傷すると?
縁石に強く衝突したり、空気圧が不足した状態で走行を続けたりすると、内部のカーカスコードが切断されることがあります。
コードが切れると、その部分が内圧に耐えられず、タイヤの側面に局所的な膨らみが生じる恐れがあります。側面に膨らみが生じた場合は破裂の危険があるため、修理はできずタイヤの交換が必要です。
一方で、接地面に釘などが刺さったパンクの場合は、外面だけでなくタイヤの内側からも状態を点検し、傷の位置や大きさなどの修理基準を満たしていれば修理できる場合があります。修理の可否は、カーカスを含めたタイヤ内部の損傷状態を確認したうえで判断されます。
まとめ
- カーカスは、タイヤの形状を保ち、内部の空気圧や荷重、衝撃を受け止めるゴム被覆コード層
- 素材にはポリエステル、レーヨン、ナイロン、スチールなどがあり、タイヤの構造や部位に応じて使い分けられる
- 乗用車の主流であるラジアル構造は、ベルト補強により操縦安定性・耐摩耗性・燃費性能に優れる
- バイアス構造はコードを斜めに交差させた構造で、低速走行時や悪路での乗り心地に優れる
- 側面の膨らみなどコード切れの兆候がある場合は修理不可で交換が必要。接地面のパンクは内外の点検を経て修理可否を判断する
タイヤの点検や交換のご相談
タイヤの側面に不自然な膨らみが見られる場合や、走行中に大きな衝撃を受けたあとは、内部のカーカスが損傷している可能性があります。側面の膨らみを見つけたら使用を中止し、専門店やロードサービスに相談してください。
当店ではタイヤの状態点検をはじめ、通信販売などで購入されたタイヤの持ち込み交換にも対応しています。タイヤの状態に気になる点があれば、お気軽にお問い合わせください。