【第4章】縦溝と横溝のチームワーク:タイヤが水を後方へ排出する仕組み
こんにちは!小山市のクレスコタイヤサービスです。
雨の日の安全について解説しているこのシリーズ。今回は、タイヤの「顔」とも言える表面の模様、「トレッドパターン」に隠された秘密に迫ります。
タイヤの表面には、太い溝や細い切れ込みなど、複雑な模様が刻まれていますよね。これらは決して「カッコよく見せるためのデザイン」ではありません。雨の日に、タイヤと路面の間に入り込んだ大量の水を瞬時に排除し、ゴムを路面に密着させるための緻密に計算された排水システムなのです。
主役の排水路:太く真っ直ぐな「縦溝」
一般的な乗用車用タイヤを正面から見ると、タイヤをぐるりと一周するように、縦に真っ直ぐ伸びる太い溝が3本〜4本入っています。
この縦溝の仕事は、「前方から押し寄せてくる大量の雨水を、タイヤの後方へと一気に逃がすこと」です。高速道路などを時速80kmで走っている時、タイヤは1秒間に約10リットル〜20リットル(バケツ1杯〜2杯分!)もの水を排水していると言われています。
縦溝が太く、深いほど、水を溜め込んで後ろに流す能力(排水容積)が高くなります。「溝が減ると雨の日に滑る」と第2章でお話ししたのは、この縦溝の深さが浅くなり、排水できるバケツのサイズが小さくなって水が溢れ出してしまうからです。
補助と拡散:サイドへ逃がす「横溝」
縦の溝だけでは、タイヤの中心部分に入り込んだ水を完全に逃がしきることはできません。そこで活躍するのが、縦溝からタイヤの側面(ショルダー部)に向かって横や斜めに伸びている細い溝です。
横溝の仕事は、「縦溝で処理しきれなかった水や、タイヤの中央付近にある水を、遠心力を利用してタイヤの左右(外側)へと弾き飛ばすこと」です。
縦溝が「幹線水路」だとすれば、横溝はそこから水を外へ排出する「支流」のような役割を果たしています。この縦と横の見事なチームワークによって、タイヤは路面との接触を保ち、水の上を滑ってしまうハイドロプレーニング現象を防いでいるのです。
スポーツタイヤが雨に弱い理由?
ここで一つ、タイヤ選びの豆知識です。スポーツタイヤ(ハイグリップタイヤ)と呼ばれる、走りを重視したタイヤの表面を見たことはありますか?
スポーツタイヤは、乾いた路面で強力なグリップ力を発揮するために、ゴムが路面に接地する面積を極限まで増やそうとします。そのため、一般的なタイヤに比べて溝の数が少なく、縦溝も細く作られていることが多いのです。
接地面が広い分、乾いた路面では最高の性能を発揮しますが、その代償として「雨水を逃がす空間(溝)」が少ないため、大雨の日には排水能力の限界を迎えやすく、ハイドロプレーニング現象が起きやすくなります。
「走りが好きだからスポーツタイヤを履いている」という方は、雨の日は特にスピードを控えめにするなど、タイヤの特性を理解した運転が必要です。
まとめ:トレッドパターンは排水の芸術
- 縦溝:大量の水を前方から後方へ一気に流す幹線水路
- 横溝:水をタイヤの左右へ弾き飛ばす補助水路
- スポーツタイヤなど、溝の面積が少ないタイヤは雨の日に特に注意が必要
ご自身の車のタイヤを、ぜひ一度じっくりと観察してみてください。「この溝が水をどう流しているのかな?」と想像してみると、タイヤの奥深さが少し分かってもらえると思います。
次回は、道路の「白線」や「マンホール」が雨の日に氷のように滑る理由について。そこにも、タイヤのゴムと摩擦力の科学が隠されています!
クレスコタイヤサービスでは、お客様の運転スタイル(街乗りメインか、高速道路が多いか、走りを重視するか)に合わせた最適なトレッドパターンのタイヤをご提案します。ネットで購入されたタイヤの持ち込み交換も大歓迎です!「今のタイヤ、本当に合ってるかな?」と感じたら、ぜひ一度、無料のタイヤ点検にお越しください。
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