第5回:【STEP2】「残り溝」の真実!バリ山ってどれくらい?
こんにちは!小山市のクレスコタイヤサービスです。
中古タイヤ選びの目利き講座、第2弾は「残り溝」について解説します。
中古タイヤの商品説明を見ていると、「バリ山」「8分山」といった表現をよく目にします。こうした表示だけでは、実際に何mmの溝が残っているかは分かりません。購入後に後悔しないためにも、感覚的な表現だけに頼らず、具体的な溝の深さやチェックポイントを把握しておきましょう。
新品タイヤの溝は何mm?
残り溝を判断するには、まず新品時の状態を知ることが手がかりになります。
新品タイヤの溝の深さは、製品の銘柄やサイズによって異なります。そのため、同じ「8分山」と書かれていても、元の溝の深さが違えば実際の残り溝は異なります。「分山」という目安だけで判断せず、ミリ単位の実測値を確認することが大切です。
また、タイヤの摩耗は均一に進むとは限りません。溝を測るときは、タイヤの中央付近だけでなく、両肩(内側と外側)や外周の複数箇所を測り、偏摩耗(片減り)が起きていないかも確かめましょう。
限界ラインを知ろう
乗用車用タイヤの法律上の使用限度は、残り溝1.6mmです。溝の底には「スリップサイン」と呼ばれる突起が設けられており、摩耗によって溝の深さが1.6mmになると表面に現れます。残り溝が1.6mm未満のタイヤは保安基準に適合しません。スリップサインが露出したら交換が必要です。
ただし、1.6mmはあくまで法律上の使用限界です。溝が浅くなると雨天時の排水性が落ち、濡れた路面で滑りやすくなったり制動距離が伸びたりします。そのため、安全面を考慮して、限界に達する前の余裕を持った段階で交換することが推奨されています。
中古で狙うべき「残り溝」は?
中古タイヤを選ぶ際は、残り溝の数値だけでなく、タイヤ全体の状態を合わせて確認します。
溝がたくさん残っていても、ゴムの劣化や損傷が進んでいれば安全に使用できないことがあります。パンク修理歴がある場合は、修理内容とタイヤ全体の状態も確認しましょう。見た目の山だけでなく、ゴムの状態や傷の有無をしっかり点検しましょう。
一方で、溝が減ってスリップサインに近づいているタイヤは、雨の日の走行性能が低下しています。車検を通すための一時しのぎとして選ぶのではなく、日常の走行で十分な安全マージンが取れるタイヤを選ぶことが大切です。
スタッドレスタイヤの落とし穴「プラットホーム」
冬用のスタッドレスタイヤには、スリップサインとは別に「プラットホーム」という限界サインが備わっています。
プラットホームは、溝の深さが新品時の50%まで減ると接地面に現れます。露出する溝の深さは製品ごとに異なりますが、このサインが現れると雪道や凍結路面を走るための冬用タイヤとしては使用限界を迎えたことになります。
冬用として使えなくなったタイヤを夏場に使う場合も、スリップサイン(残り溝1.6mm)に達していないか、ゴムの劣化や損傷がないか、製品の案内を確認した上で安全性を判断する必要があります。
中古のスタッドレスタイヤを探すときは、スリップサインだけでなく、プラットホームが露出していないか、あとどのくらい余裕があるかを必ず確認してください。
まとめ:残溝を測って確認する
中古タイヤを見極めるときは、「バリ山」という言葉の印象だけで決めず、専用の溝深さゲージなどで実際の残り溝を測定することが重要です。
スリップサインやプラットホームの出具合を目視でチェックし、溝の深さが偏っていないかも確認しましょう。実物の状態を自分で判断するのが難しい場合は、購入前にタイヤ専門店に相談して点検してもらうと安心です。
参考資料
- 国土交通省「日常点検」
- JAF「タイヤ交換の目安はいつ?交換が必要なサインや寿命を長持ちさせる方法を解説」
- 日本自動車タイヤ協会「タイヤのおはなし(乗用車用タイヤ編)」
- ブリヂストン「タイヤの偏摩耗の種類と原因・その影響について」
- ブリヂストン「ブリヂストン タイヤセーフティーレポート:スタッドレスタイヤの『プラットホーム』って何?」
次回は【STEP3】として、ひび割れを見るときのポイントを解説します。